【熱統計力学Ⅱ】 [物理学科 3群 A選択 科目(配当年次: 第3学年 ) ]
[化学科 3群 B選択 科目(配当年次: 第3学年 ) ]
 
単  位:2単位 単位認定者: 十河清
授業期間: 前期  15コマ 科目分担者:
授業形態: 講義  週1コマ
 
教育目標

「熱統計力学 I」の続編として統計力学のさまざまな応用について講義する。比熱や帯磁率などの平衡状態の性質に始まり、電気伝導度などの非平衡状態の物理量を求める方法を、具体的な計算例を通して理解することを目標とする。

教育内容

前編である「熱統計力学 I」の復習を行なった後に、量子統計力学の必然性について述べ、ボースおよびフェルミ統計を導入する。ボース凝縮やフェルミ縮退などの量子効果の分布関数を用いた理論を紹介し、実験と直結したいろいろな物理量の統計的(確率論的)表現法と実際の計算法について講義する。

教育方法

統計力学はある意味で「方法=枠組み」にすぎないので、具体的な例を通して学ばない限り、充分な理解を得ることはできない。講義では色々な実例を紹介するが、それらの背後にある論理を把握することが肝要である。

 
講義内容(シラバス)
項  目 担当者 授業内容

1回 〜2回

熱統計力学の復習

十河

現象論としての熱力学、熱力学関数の使いかた

3回 〜4回

統計力学の考え方

十河

ミクロ(微視的)からマクロ(巨視的)へ、確率論とその応用

5回

量子統計力学(1)

十河

スピンと統計、ボース・フェルミ統計、1粒子分布関数

6回

量子統計力学(2)

十河

熱力学関数および各種物理量の量子統計力学的表現

7回

量子統計力学(3)

十河

ボース分布関数、熱輻射とボース凝縮

8回

量子統計力学(4)

十河

フェルミ分布関数、フェルミ縮退

9回

量子統計力学の応用(1)

十河

金属の電子比熱、パウリの常磁性

10回

量子統計力学の応用(2)

十河

協力現象としての相転移、強磁性の話

11回

量子統計力学の応用(3)

十河

2次相転移の現象論、超伝導の話

12回

非平衡系の統計力学(1)

十河

密度行列とノイマン方程式

13回

非平衡系の統計力学(2)

十河

線形応答理論、輸送係数の表式

14回

非平衡系の統計力学(3)

十河

電気伝導度の計算、帯磁率の計算

15回

まとめ

十河

解決済みの問題と残された問題

 
到達目標

いろいろな系(モデル)の巨視的な性質を導けるようになること、それらモデルの背後にある「物理」を理解すること、およびモデルの違いにも拘らず共通する「統計力学の論理」を理解すること、を目標とする。

評価基準

講義中の小テスト、期末試験の成績を総合的に評価する。

準備学習
(予習・復習)

「熱統計力学 I」の内容をしっかり復習しておくこと。

 
  (書  名) (著者名) (出版社名) (定価)
教科書 ゼロからの熱力学と統計力学 和達三樹・十河清・出口哲生 岩波書店 2,800円
参考書 (なし)