【道徳教育論】
 
単  位:2単位 単位認定者: 中野美昭
授業期間: 後期  15コマ 科目分担者:
授業形態: 講義  週1コマ
 
教職課程科目 教育課程及び指導法に関する科目
各科目に含めることが必要な事項 道徳の指導法
 
授業の目的

道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神を踏まえ、自己の生き方や人間としての生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を育成する教育活動である。道徳の意義や原理等を踏まえ、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育及びその「要」となる道徳科の目標や内容、指導計画等を理解するとともに、知識基盤社会において必要とされる自国文化や伝統への深い理解、他国文化への尊重意識の育成及び自己肯定感や自尊意識、思いやる心を育み、国家、社会の責任ある形成者としての参画及び貢献意識の育成が喫緊の課題となっている。その担い手としての道徳教育の果たす役割は多大なものであり、学習指導要領が明示する今後の道徳教育の在り方の理念を今後の子どもたちに浸透させ、理解・認識させていく指導者の育成を図る。

教育内容

道徳教育の意義や歴史的編纂及び今後の道徳教育の在り方を基に実践例を提示し触れると共に、受講者が主体的に課題について考え、意見をまとめ発表する検証討議を重ね課題解決を図る手法を学ぶ。また、「特別の教科道徳」の教科化のねらいをより具現化させるために、講義内容をより今後待ち受けている厳しい社会にも即した実践力向上を目指した内容に深化させる。その目標達成のために、教育基本法及び学習指導要領が明示する「道徳の理論」の習得及びそれらに裏付けされた「道徳の指導法」としての「道徳指導案」の作成、それを基にした「模擬授業」の展開へと講義を発展させ、講義の質を高めると共に受講者の主体的な学びの姿勢を育成する。

教育方法

多様な学習形態を駆使して、思考力・判断力・表現力を育成する。その具体として受講者の主体的な「学びの姿勢」や「実践力」を体得させるためにグループワークやペアワークを通じて考え、討論、かつ検証・分析、再考、発表を展開し、自分で課題を発見し、課題解決を図っていく「アクティブラーニング」手法を活用することにより講義の目標を達成する。

 
講義内容(シラバス)
項  目 担当者 授業内容

1回

①オリエンテーション②道徳とは

中野

①講義内容の説明=講義のねらいや評価全般」について②自分が受けてきた道徳教育を振り返り、問題点や課題について考える。③道徳とは何か=道徳・倫理・法律との関連について考え、相違点について知る。

2回

道徳教育の歴史及び道徳教育の意義や「在り方」について

中野

①道徳教育の歴史的変遷を理解する。②現代社会における道徳教育の課題解決に向けての在り方について考える。

3回

現代社会における課題(生命・環境・情報倫理)の理解と道徳教育の果たす役割について

中野

①倫理的課題(生命・環境・情報)に考える。②それらの課題解決に関わる道徳教育の役割について考え、討議し現況を理解する。

4回

①道徳性とは②子どもたちにどう伝え、道徳心を育成していくのか。

中野

①道徳性とは。②何を学ばせ、どんな心を育成していくのか。③発展的(子どもの心身の発達を考慮)、計画的な指導について実践例に基づき理解する。

5回

教育現場における現況と道徳教育の必要性について

中野

①学校が抱える諸課題について知る。②子どもたちの実態(いじめ・不登校・規範意識や自己肯定感の低下)を理解する。③課題解決策について考え・討議する。

6回

学習指導要領と道徳教育(道徳の時間の教科化)

中野

①学習指導要領とは②「特別の教科道徳」の目標と内容について③「教科化」のねらいと「道徳の時間」との関連について

7回

道徳教育(学校教育活動全体)と「道徳の時間」との連携と関連について

中野

①道徳教育と道徳の時間の関連と連携(旧補充・深化・統合)について②具体例に基づき関連と連携について理解する。③学校の現況について

8回

①学校教育目標の具現化=「育成すべき子ども像」②学校教育活動全体を通じての道徳教育の指導計画及び発展的・計画的な指導方法

中野

①学校教育目標とは=学校→学年→学級を一体化した組織的な対応について②育成すべき子ども像の設定③学校・家庭(子どもたち)・地域との連携・協働について④「信頼される学校」の創設

9回

①「考え、討論する授業」の展開について②今後の「新しい学び」の基盤としての「思考力・判断力・表現力」の育成について

中野

①「教科化」を基点とした子どもたちの主体性を重視した授業展開について②厳しい挑戦の時代や成熟化社会に対応する「新しい学び」について

10回

①「アクティブ・ラーニング」とは、その指導法と活用方法について②主体性を育成する多種多様な指導方法や学習形態について

中野

①ALのねらいと実践的な活用指導方法について②多種多様な指導方法の活用の仕方について

11回

①興味関心を抱き、より実生活に即した教材の発掘と活用について②「道徳的ジレンマ」に基づく題材とは。

中野

①学習指導要領が提示する資料の条件について②資料の作成とその活用方法について③「道徳的ジレンマ」を題材とした資料について

12回

①「評価全般」について②「特別の教科道徳」の評価の在り方及び評価方法について

中野

①減点評価から加点評価へ②ポートフォリオ評価とパフォーマンス評価について③学習指導要領が明示する道徳の評価の在り方について

13回

①「道徳学習指導案とは、その作成方法」について」②「道徳科学習指導案」を作成してみよう。

中野

①「学習指導案」とは。また、作成の必要性について②「道徳科学習指導案」の作成方法について③個別作成→家庭学習で補充し提出

14回

①「模擬授業」をやってみよう。②実践を通じての授業改善の視点の体得

中野

①模擬授業の展開→質疑応答→総括(25分×3人=75分)②より良い授業とは(授業改善へ向けて)

15回

①「道徳的対話」が出来る教師とは?②学習のまとめ

中野

①自己理解・他者理解・自己尊重・他者尊重→相互理解から合意形成へ②既習事項の振り返りと要点整理③定期テスト及び評価全般について

 
到達目標

「道徳の時間」において、何を学ばせ、どんな心を身に付けさせていくのか、個々の考察やグルプ討議で考えを集約し理解させていく。その講義を通じて、指導者として子どもたちに道徳心(道徳性)をどう伝え、育成していくのか、その指導法についての基本を体得できる。

評価基準

定期試験、発表(模擬授業者や講義中の発言)、提出物(学習指導案等)、「振り返りシート」を含む講義への取り組む姿勢や態度を総合的に評価する。積極的な講義への参加姿勢は加点とする。

準備学習
(予習・復習)

主体的な学びを具現化させるため、事前・事後学習を実施すると共に、「振り返りシート」を活用し、既習事項への理解を深め整理しておく。

その他

将来教職に就く者としての自覚を持ち、指導力向上に向け研鑽してもらいたい。

 
  (書  名) (著者名) (出版社名) (定価)
教科書 「四訂道徳教育を学ぶ人のために」 小寺正一他 世界思想社 1900円
参考書 (なし)