【分子構築学】
(Molecular Architecture)
[化学科 3群 必修 科目(配当年次: 第2学年 ) ]
[生物科学科 3群 B選択 科目(配当年次: 第2学年 ) ]
 
単  位:2単位 単位認定者: 弓削秀隆 教員免許取得のための必修科目
授業期間: 後期  15コマ 科目分担者: 科目:教科に関する科目(中・高 理科)
授業形態: 講義  週1コマ 施行規則に定める科目区分:化学
 
授業の目的

物質を自由自在に操るための先端的物質合成の方法論の修得を目指して、有機金属化合物を対象に、化合物体系論から、合成法、分子構造から分光的性質、同定法、反応のパターンを概説し、素反応から高次の触媒反応への展開を紹介する。

教育内容

有機遷移金属化合物を中心に、(1) 電子状態と結合、(2) 代表的な配位子と合成と性質、分光的特徴、さらに(3) 有機金属化合物の反応特性(化学量論反応と非化学量論反応)を3段階に分けて概説する。有機金属化合物以外にも随所にトピックスとしての新しい無機化合物の合成法、性質を挿入し、説明する。

教育方法

「無機化学I・II」の修得を前提に、教科書(21、25章)に沿って進め、足りない部分を資料(パワーポイント、プリント等)で補う。板書中心で講義を展開する。

 
講義内容(シラバス)
項  目 担当者 授業内容

1回

有機金属化学の概観

弓削

元素の電気陰性度を用いて、金属-炭素結合を概観する。結合におけるσ性とイオン性、または非古典的結合をもつ化合物について解説する。

2回

有機金属における結合論および電子論

弓削

電気陰性度から金属-炭素結合を考察する。金属カルボニルを例に18電子則、逆供与の概念を理解する。

3回

金属カルボニル(1)

弓削

金属カルボニルに見られる振動スペクトルの特徴を理解し、カルボニル以外のπ酸性配位子と対比して電子状態、性質の相違を概観する。

4回

金属カルボニル(2)

弓削

金属カルボニルの合成と反応を理解する。

5回

有機金属化合物総論

弓削

18電子則を用いた有機金属化合物の安定性予測を学習する。共有結合法、イオン結合法について習得する。

6回

遷移元素の有機金属化合物(1)

弓削

アルケン錯体とアルキン錯体の電子状態、性質を解説する。結合とハプト数の関係を理解する。

7回

遷移元素の有機金属化合物(2)

弓削

アリル錯体とカルベン錯体の電子状態、性質を解説する。

8回

遷移元素の有機金属化合物(3)

弓削

アルキリデン錯体とカルビン、アルキリジン錯体の電子状態、性質を解説する。

9回

典型元素の有機金属化合物

弓削

典型元素の有機金属化合物(主族有機金属化合物)の合成、構造、反応を1族、2族および3族化合物を中心に概説する。

10回

有機金属化合物の化学量論反応(1)

弓削

有機金属化合物に特徴的な反応である酸化的付加反応と還元的脱離反応について概説する。

11回

有機金属化合物の化学量論反応(2)

弓削

有機遷移金属化合物に特徴的な反応である1,1-移転挿入または1,2-挿入反応、β水素脱離反応、シクロメタル化反応について概説する。

12回

有機金属化合物の非化学量論反応(1)

弓削

代表的な有機遷移金属触媒であるウィルキンソン触媒によるアルケンの水素化触媒反応について解説する。

13回

有機金属化合物の非化学量論反応(2)

弓削

9族有機遷移金属触媒を用いたヒドロホルミル化触媒反応について解説する。

14回

有機金属化合物の非化学量論反応(3)

弓削

今日有用な反応として用いられているチーグラー・ナッタ触媒、アルケン・メタセシス触媒、パラジウム触媒によるクロス・カップリング反応について解説する。

15回

まとめ

弓削

全体の確認と復習

 
到達目標

有機金属化合物を周期表に基づいて体系的に理解し、合成の方法論を習得する。素反応から複雑な触媒系を合理的に組み立てて、機能性物質をつくりだすアイデアと具体的プランを考え出せる論理力を養成する。

評価基準

問題演習、期末試験などにより総合的に評価する。

準備学習
(予習・復習)

指定された教科書で予習し、疑問点を予め明確にしておくこと。
講義で紹介した知識を覚えるだけでなく、組み合わせて使えるようになることを目標にしているため、演習問題については安易に解答を見たり、きいたりせずに、自分の一通りの考え方を時間をかけて組み立てていく訓練をすること。

 
  (書  名) (著者名) (出版社名) (定価)
教科書 シュライバー・アトキンス 無機化学 第6版 上・下 D.F.シュライバー、P.W.アトキンス他 東京化学同人 上 7,020円、下 7,020円
参考書 Organomtallics and Catalysis: An Introduction Manfred Bochmann Oxford University Press 約5,500円
The Organometallic Chemistry of the Transition Metals; 6th Edition Robert H. Crabtree Wiley 約12,000円
ハートウィグ 有機遷移金属化学 上・下 J. F. ハートウィグ 東京化学同人 上 9,072円、下 8,856円