【合成有機化学】
 
単  位:2単位 単位認定者: 長谷川真士
授業時期: 前期 15コマ 科目分担者:
授業形態: 講義 週1コマ
 
教育目標

合成レシピをなぞるだけ、SciFinderに記載されている反応をトレースするだけでは「合成ができる」とは言わない。
合成法の選択,塩基,酸などの試薬や溶媒などの選択についての評価,解説を行い,有機合成計画に必要な知識を学ぶことで修士課程に必要な「考えられる合成研究者」となることを目指す。本講義は大学院修士(博士)課程研究で有機合成を用いて研究活動を行っている者の受講を強く勧める。

教育内容

有機化合物の合成に関する基本反応様式・反応試剤を解説する。

教育方法

普段、用いるであろう試薬、反応を中心に解説を行う。いくつかのトピックスに分けて講義を行う。

 
講義内容(シラバス)
項  目 担当者 授業内容

1回

合成有機化学序論 (有機化合物の構造と反応性)

長谷川

有機化合物の溶解度、Lewis酸とLewis塩基およびHSAB則を学ぶ。

2回

分子軌道と反応性1(置換、脱離、付加反応)

長谷川

置換反応、脱離反応、付加反応について分子軌道論の観点から解説する。

3回

分子軌道と反応性2(立体電子効果)

長谷川

立体電子効果について学び、アノマー効果、ゴーシュ効果を紹介する。

4回

有機化合物における立体選択性1(Felkin-Ahnモデル)

長谷川

カルボニル化合物への付加反応における隣接基の効果を学ぶ。

5回

有機化合物における立体選択性2(不斉合成)

長谷川

不斉合成の概念とメカニズムについて学ぶ。

6回

有機金属を用いた合成1

長谷川

アルキルリチウム試薬など、研究室で頻繁に利用する有機金属とその特長について学ぶ。

7回

有機金属を用いた合成2

長谷川

銅、チタンなどを用いた炭素-炭素結合骨格形成反応について紹介する。

8回

有機金属を用いた合成3

長谷川

Pd触媒を用いた合成について紹介する。Stille Coupling, Negishi Coupling, Suzuki-Miyaura Couplingなどについて学ぶ。

9回

有機金属を用いた合成4

長谷川

Ir触媒を用いたC-H活性化などを紹介する。

10回

有機合成における保護基

長谷川

シリル基を中心に保護基について紹介する。

11回

官能基変換反応

長谷川

汎用的な官能基変換反応をピックアップし紹介する。

12回

実践的演習問題1

長谷川

最新の論文から演習問題を作成し、全員で解答する。

13回

実践的演習問題2

長谷川

最新の論文から演習問題を作成し、全員で解答する。

14回

実践的演習問題3

長谷川

最新の論文から演習問題を作成し、全員で解答する。

15回

実践的演習問題4

長谷川

最新の論文から演習問題を作成し、全員で解答する。

 
到達目標

標的有機化合物を合成するための的確な方法を考察できるようにするとともに、新しい合成反応を解釈できるようにする。特に正確な反応機構の記述をめざし,反応試薬の選択の是非が判断できるようにする。

評価基準

全員、毎回の講義への参加を必須とする。演習の解答状況とレポートにより評価する。欠席および演習の解答を行わないものは減点する。

準備学習
(予習・復習)

授業演習に際し,各自,予め予習をすること。

 
  (書  名) (著者名) (出版社名) (定価)
教科書 資料を配布する
参考書 有機反応機構の書き方 奥山 格 丸善出版 4,700円(税別)
有機反応の立体選択性―その考え方と手法 林 民生 (翻訳), 小笠原 正道(翻訳) 化学同人 2,484円(税別)
Advanced Organic Chemistry: Part B: Reaction and Synthesis F. A. Carey, R. J. Sundberg Springer 7,702円(税別)